2012年6月6日

大学のサークルで「好きな音楽のレビューを書く」という企画をやった時に書いたものです。

感想と考察 : ゲーム『天地創造』ED直前の故郷の曲

 

曲名:不明(SFCゲーム『天地創造』のED直前の故郷の曲)

 

作曲者:小林美代子、もしくは曳地正則との共作

原曲である故郷の通常BGM「帰るべき所」は小林美代子の作曲なので、曳地正則一人による作曲ではあり得ない。ただ、OP、ラスボス、EDの曲は共作となっているため、この曲も共作の可能性がある。


CD:なし

『天地創造 クリエイティブサウンドトラック』が発売されたが、この曲は残念ながら収録されなかった。

 

聴けるサイト:ニコニコ動画へ

※この動画のタイトル「別れの前に」は非公式の曲名です。


説明・感想・考察

 

『天地創造』は1995年にエニックスから発売されたスーパーファミコン用アクションRPGソフトです。

開発元クインテットの代表作の一つで、『ソウルブレイダー』『ガイア幻想紀』と合わせてクインテット三部作と呼ばれています。
実は自分ではプレイしたことがなく、ニコニコ動画で実況プレイ動画を見ただけなのですが、このゲームは本当に名作だと思います。プレイしていない奴が言うなと思われるかも知れませんが、世界観とストーリーの素晴らしさは僕が今まで見てきたあらゆる物語の中でもトップクラスでした。
音楽も名曲揃いで、町BGMの温かさとイベント曲の切なさが見事なコントラストを描いています。今回紹介するこの曲は、町とイベント両方の性質を併せ持った特別な曲です。

 

 

 

(ここから、『天地創造』の結末までのストーリー解説が始まります。

 あらすじどころではない濃度となっているので、ネタバレはご了承の上お進みください)

 

 


物語は主人公の住む小さな村から始まります。

そこは地裏の世界といって、人が住んでいるのはその村だけです。

主人公は悪戯好きなやんちゃ坊主ですが、皆から愛されて幸せに暮らしています。

ここで流れているのが「帰るべき所」という曲で、この時点ではおそらく「のどかな曲だなー」程度の感想しか持ちません。


話を進めると、主人公は長老から次のように言われます。

「実は地表という豊かな世界もあったのだが、今は滅びてしまっている。お前が地表を復活させてきたら、わしはそこに村人たちを移住させてやりたいのじゃ」
こうして主人公は故郷から旅立ち、地表に行って植物・動物・人間を復活させる大仕事=天地創造を成し遂げます。最後まで村に帰ることはできません。その間、主人公はどうやら自分が神にも等しい働きをしているということに無自覚なようで、相変わらずやんちゃに振る舞っています。


しかし、終盤は悲劇的な展開が続きます。あの明るかった主人公が「オレは何のためにここまでやってきたんだ」「楽しかったあの頃を返してくれよ……!」と絶望するほどです。

実は長老・ダークガイア(地球の破壊の側面)の真の目的は、創造と破壊を繰り返す世界を終わらせ、完全・永遠の世界を創ることでした。それは、主人公が創造してきた世界の中から少数の者だけを選んで永遠の命を与え、それ以外の生命は殺してしまうということだったのです。

その計画の中で、幼馴染のヒロインが亡くなり、ギャグ要素かと思われていた日本が細菌兵器で滅ぼされます。


主人公はダークガイアを追って地裏に帰りますが、故郷は変わり果てた姿になっていました。

主人公も故郷の人々も、ダークガイアが手駒として利用するために造った存在。主人公が旅立って用済みとなった人々は、原料であるクリスタルブルー(地裏の物質)に還ってしまっていました。
主人公は世界を守るためダークガイアを封じますが、故郷が失われた虚しさは消えません。

それどころか、ダークガイアの世界である地裏は消えつつあり、主人公の体ももうすぐ消えてしまうというのです。

主人公はライトガイア(地球の創造の側面)の心遣いで、最後の一日を平和な頃の故郷の幻想に包まれながら過ごすことになりました。


ここで今回紹介する曲が流れます。

「帰るべき所」がテーマ曲等のフレーズを交えながら美しくアレンジされ、切なく響きます。

「町」と「イベント」両方の性質を併せ持つ音楽が流れることで、主人公の中で「日常」と「幻想」が溶け合っていることが感じられます。これは夢なのだと分かっていても、むしろ今までの冒険の方が夢なのではないか、いつまでもこの幸せな日常が続いていくのではないか、だってみんなここにいるのに……と思わずにはいられないのだと思います。


ベッドに入ることで最期の一日が終わるなら、俺は眠らないぞとコントローラーを手放した人もいるかも知れません。しかし、エンディングを見るためにはすべてを終わらせなければなりません。

主人公は静かに眠りにつき、最後の夢を見ます。

それは、鳥になって一回り成長した世界を眺める夢でした……。

 

結末を知ってから故郷の通常BGM「帰るべき所」を聴くと、もう「のどかな曲だなー」では済ませられない熱い感情が込み上げてきます。最初に聴いた時と全く印象が違うのです。なんということのない日常が本当はどれほど愛おしいものなのか、胸が締めつけられるほど印象的に訴えかけてきます。

 

また、宿屋に泊まる時には、「帰るべき所」の1フレーズがオルゴールで流れます。

これは主人公のノスタルジアの表現というだけでなく、故郷で永遠の眠りにつくという結末の暗示なのかも知れません。

 

『天地創造』の音楽はどれもおすすめです。
サントラは未収録曲が多い上、価格の高騰した中古しか手に入らないようなので、ニコニコ動画で全曲集(sm1394865)を聴いてもバチは当たらないと思います。作業用BGMにいかがでしょうか。

 

Count from 2013.10.23

 

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