2013年5月4日
大学生のレポート作成を支援するページです。
僕が大学でレポートを提出する際には、このやり方で通っています。
ただ、万が一この通りに書いて先生に怒られたとしても責任は取れません。ご了承ください。
当然ですが、提出先から指示がある場合は、それに従ってください。
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◆目次◆ クリックで該当箇所にジャンプできますが、上から順に読むことを想定して書かれています。
【書籍に収録されているが、ネット上にもアップされている論文】
【紙でも売られているし、ネット上でも公開されている新聞記事】
引用の仕方を説明してくれているサイトはたくさんありますが、時代に合わせてネットからの引用について詳しく説明しているのが、このページの特徴です。
【信頼できる文献か確認する】
情報は信頼性のあるところから持ってきてくださいね。
つまり、専門家の書いた本や論文、大学や研究所の発表、官公庁の資料、信頼できる企業・法人の情報開示など。
素人がネットに書いている文章(このサイトとか)を引用元にしても、あなたの論文の信頼性を高めることはできません。むしろ信頼性を下げてしまいます。
例えば、Wikipediaは誰でも編集できるので、引用元にはふさわしくないと考えられています。
「誰が書いたのか」「どういう機関を通して発表されているのか」「審査は入っているのか」に注意して、信頼性を見極めてください。
ネットを検索すると様々な論文が出てきますが、素人が書いた論文も混じっているので注意が必要です。信頼できる学術誌に掲載されているかどうかが目安となります。
学内誌レベルだと危ないです。例えば、ギリギリ卒業できたというレベルの卒業論文を鵜呑みにするわけにはいきませんよね。
学生・院生の論文は、査読されて信頼性が認められた上で、大学や学会が責任を持って外部に公開しているもののみを利用してください。
初めてレポートを書く人がやりがちなミスですが、仕上げの段階になってから引用・参考文献に適さない文献だったと分かると悲惨です。影響を受けて書いた部分を書き直さなくてはなりません。
「あっ、この論文、よく見たら筆者が素人or不明だから参考文献として書けないじゃん」
「実は素人が個人のサイトに転載した論文だった。公式にはネット公開されていなかった……」
ネット上の情報については、それから得た情報を自分の論文に反映させる前に、真っ先に出所を確認しましょう。
【書籍】(基本形)
著者名『本の名前』出版社名,出版年,ページ数
(例) 夢前黎『アフリカの大ネズミ』ゆめさき出版,2013年,p.156
複数の人が一緒に書いた本の場合はこうします。
(例) 夢前黎、田中一郎、鈴木太郎『ネズミの集団生活』ゆめさき出版,2013年,p.221
著者と訳者がそれぞれいる場合はこう。
(例) ジョン・スミス著、田中一郎訳『何故ネズミにこだわるのか』ゆめさき出版,2013年,p.85
ページが複数の時は「pp.」になる。(pで統一すべきだと考える人もいるので注意)
(例) 夢前黎『アフリカの大ネズミ』ゆめさき出版,2013年,pp.156-157
出版年の位置や「,」の書き方は、先生、団体、雑誌によって変わります。
もう一度言いますが、提出先から指示がある場合は、それに従ってください。
例えば、出版年を強調したい場合は出版年が前の方に来て、こうなります。
著者名(出版年)『本の名前』出版社名,ページ数
※引用の際はページ数まで書きます。参考文献一覧に載せる時はページ数の部分はいりません。
【複数の論文を集めた書籍の中の論文1つ】
論文を書いた人の名前「論文名」『本の名前』出版社名,出版年,ページ数
(例) 夢前黎「ハムスターの毛色の研究」『恐怖の殺人毛玉』ゆめさき出版,2013年,p.67
雑誌の場合は、雑誌名の後ろに巻数や号数を入れます。
(例) 夢前黎「何故ハムスターは可愛いのか」『学会誌マウス』104号,夢前大学,2013年,p.201
論文名を「」で囲み、本や雑誌の名前を『』で囲むという区別は、引用の大原則です。
【書籍に収録されているが、ネット上にもアップされている論文】
ネット検索すると、しばしば論文がPDF形式でUPされているのを見かけます。
大抵、それは論文を集めた本や雑誌の一部をネット上でも公開しているものなので、どんな書籍に収録されているものなのかよく確認してください。
PDFだけでは分からなくても、論文名と著者名で検索すると、雑誌の情報が出てくることがあります。
本の方を読んだなら「複数の論文を集めた書籍の中の論文1つ」のように書いてください。
ネット上にアップされている方だけを読んだ時は、僕はこのようにしています。
論文を書いた人の名前「論文名」『本・雑誌の名前』出版社名,出版年,ページ数
※以下のURLで公開されている。
http://○○○○○○○○○○
URLは書かなくても、きちんと本の名前が書いてあれば「義務は果たした」と言えるのでしょうが、自分自身が手に取ったことのない本の名前を書くのでは後ろめたいので、「本は手に入らなかったけど、論文は実在してるんですよ。ほら、このURLが証拠です」という気持ちで付け足しています。
特に、非売品や会員限定の雑誌、発行部数の少ない雑誌に掲載されている論文がネット上に上がっていたという場合は、URLを書いておけば安心・親切です。
引用元や参考文献を明らかにすることには、「証拠の提示」と「後の研究者のための情報開示」という意味があります。証拠のURLを書いておけば、参考文献が架空の論文だと疑われる心配もありませんし、後の研究者が助かるのです。
※以下のURLで公開されている。というのは、僕が独自につけているものです。授業のレポートなら怒られることはないと思うのですが(少なくとも僕は大丈夫でした)、卒業論文など重要性の高い論文を書く時には、この書き方でいいかどうか担当の先生に確認してください。
何故こんな書き方をしているかというと、何の説明もなしにいきなりURLが書いてあると、読む人に違和感を与えてしまうからです。
「えっ、何このURL。この論文は紙の雑誌に収録されているんじゃないの? WEBサイトからの引用なの? 無断コピーがネットで出回ってるの? 本なの? ネットなの?」
「URLがあるからWEBサイトからの引用だな。じゃあ論文名の後の『 』は何なんだろう。サイトの名前かな? 『 』は書籍名を書く時に使う記号なのに、間違えてるなぁ。でも、だとするとその後の出版社名は何なんだろう……。URLの方が誤植なんだろうか?」
「※以下のURLで公開されている」という補足は、「書籍として発行されていますが、ネットでも公開されているんです!」という意味でつけています。
【ネット上でのみ発見できた論文】
法人、企業、大学、教授などの専門家が、ネット上でのみ論文を公開しているということもあります。
こちらはWEBサイトからの引用となり、URLがあって当然なので、URLが書いてある理由(「以下のURLで公開されている」)に言及する必要はありません。
「このURLは何だ? 紙なの? ネットなの?」という疑問もなく、普通に「ああ、ネットからの引用なんだな」と思ってもらえるはずです。
論文を書いた機関の名前「論文名」サイト名,発表年 (最終閲覧日:○年○月○日)
http://○○○○○○○○○○
(例) 財団法人ネズミ研究所アフリカチーム「ネズミ巨大化の原因について」財団法人ネズミ研究所,2013年 (最終閲覧日:2013年5月4日)
http://○○○○○○○○○○
論文を書いた人の名前「論文名」サイト名,発表年 (最終閲覧日:○年○月○日)
http://○○○○○○○○○○
(例) 田中一郎「手乗りハムスター健康法」夢前大学教授田中一郎のホームページ,2013年 (最終閲覧日:2013年5月4日)
http://○○○○○○○○○○
最終閲覧日が書いてあるのは、ネットの情報は出版物と違い、更新されたり消去されたりする可能性があるためです。(そのため、できるだけWEBからの引用はしない方がいいです)
「参考文献のサイト見たけど、そんなこと書いてなかったよ? 嘘つきー」
→僕が見た時には確かにそう書いてあったんだよ! その後で更新されたんだ。
「このURL見たらNot Foundになるけど、本当にこんな論文あったの? でっちあげじゃないの?」
→今は消えちゃってるけど、僕が見た時には存在してたんだよ!
「“僕が見た時”っていつだよ! 言ってみろよ!」
→○年○月○日(最終閲覧日)のことだよ!
常識的に考えれば、「論文」として掲載している以上、ネットだろうがなんだろうが後出しじゃんけんのように改稿するということはあり得ないのですが、ページが消滅してリンク切れになるということは十分あり得るので、ネットでしか得られない情報については最終閲覧日を必ず書いてください。
【WEBサイト】
サイト名 (最終閲覧日:○年○月○日)
http://○○○○○○○○○○
(例) 殺人毛玉公式ファンサイト (最終閲覧日:2013年5月4日)
http://○○○○○○○○○○
筆者名「ページ名」サイト名 (最終閲覧日:○年○月○日)
http://○○○○○○○○○○
(例) 鈴木太郎「温暖化とネズミの関係」鈴木教授の部屋 (最終閲覧日:2013年5月4日)
http://○○○○○○○○○○
ページの公開or更新日時が分かる時
(例) 鈴木太郎「温暖化とネズミの関係」鈴木教授の部屋,1998年10月2日更新 (最終閲覧日:2013年5月4日)
http://○○○○○○○○○○
公開年だけ分かる時
(例) 鈴木太郎「温暖化とネズミの関係」鈴木教授の部屋,1998年 (最終閲覧日:2013年5月4日)
http://○○○○○○○○○○
注意:サイト設立日ではなく、その記事が公開された日時を書いてください。
ちなみにこのページの場合
筆者である僕の名前が「夢前黎」、記事の名前が「引用の仕方・参考文献の書き方」、サイトの名前が「Re:I」、記事を書いた日が「2013年5月4日」なので……
夢前黎「引用の仕方・参考文献の書き方」Re:I,2013年5月4日更新 (最終閲覧日:2013年5月4日)
となります。
【新聞】
『新聞の名前』○○年○月○日○刊○面「記事名」
(例) 『夢前新聞』2013年5月4日朝刊1面「アフリカに大ネズミ出現!?」
可能であれば記者名も書くとなおよいかと思います。
(例) 『夢前新聞』2013年5月4日朝刊1面「アフリカに大ネズミ出現!?」(筆・夢前黎)
【紙でも売られているし、ネット上でも公開されている新聞記事】
『新聞の名前』○○年○月○日○刊「記事名」
※以下のURLで公開されている。
http://○○○○○○○○○○
「書籍に収録されているが、ネット上にもアップされている論文」と同じで、自分が紙で新聞を読まずWEBだけで済ませたのなら、URLも書くべきだと思います。
【ネット上のニュース記事】
ページが消えやすいのでおすすめはできないのですが……。
著作者「記事タイトル」サイト名,公開日時 (最終閲覧日:○年○月○日)
http://○○○○○○○○○○
(例) 夢前通信「アフリカに大ネズミ現る!?」ゆめゆめニュース,2011年8月30日 (最終閲覧日:2013年5月4日)
http://○○○○○○○○○○
【「同上」という書き方】
立て続けに同じ本からの引用をした時に使える手です。
(例) (1) 夢前黎『アフリカの大ネズミ』ゆめさき出版,2013年,p.156
(2) 同上,p.159
しかし、こんな失敗を引き起こすことも……。
(例) (1) 夢前黎『アフリカの大ネズミ』ゆめさき出版,2013年,p.156
(2) 同上,p.159
(3) ジョン・スミス著、田中一郎訳『何故ネズミにこだわるのか』ゆめさき出版,2013年,p.85
↓ 改稿して文章の順番が入れ替わると……。
(例) (1) 夢前黎『アフリカの大ネズミ』ゆめさき出版,2013年,p.156
(2) ジョン・スミス著、田中一郎訳『何故ネズミにこだわるのか』ゆめさき出版,2013年,p.85
(3) 同上,p.159
(3)は本当は『アフリカの大ネズミ』からの引用なのに、順番が入れ替わったせいで『何故ネズミにこだわるのか』からの引用という意味になってしまったのです。
このような悲劇を防ぐため、大学の先生からは「同上は使わない方がいい」と教わりました。
追記:友人からの指摘ですが、「同上」を使うのが規則という学科もあるそうなので、臨機応変に対応してください。全部書き終わってから「同上」に直していけば失敗しません。
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