2011年09月12日
※大学の授業で提出するレポートとして書いたものなので、参考程度にはなると思いますが、本格的に勉強するには不十分です。詳しいことが知りたい方はご自分でお調べください。
※参考図書として、『宗教学入門』(著・棚次 正和, 山中 弘)を与えられています。
1.日本人の「無宗教」
現在、日本人で自覚的に信仰を持っている人は20~30%と少なく、特に大学生では数%しかいない。
西欧では教会離れが進んでいるとは言え、宗教に無関心というわけではないのだが、日本の場合は多くの人が宗教に無関心であるか、宗教に悪いイメージを持っている。
しかし、日本人は自称「無宗教」であっても、習俗化した宗教行為とは深く関わっている。
年中行事や参詣は今でも続けられており、占いやお守りの効果を信じている人も少なくない。
また、自然への畏敬の念は強く、原初的な自然信仰は多くの人が持っている。
これらのことから、日本人は何とはなしの信仰心は持っていることが分かる。
それなのに何故、日本人は自らを無宗教だと考えているのだろうか。
それは、日本人の宗教性は「自然宗教」(自然発生した宗教)であり、「religion」の訳語である「宗教」が前提としている「創唱宗教」(キリスト教のように創始者がいる宗教)とは質が違うからである。
そのため、日本人は「自然宗教」には親しんでいても、「宗教(religion)」とは縁遠いと言える。
2.日本人の宗教嫌い
宗教嫌いの原因としては、政教分離政策や宗教教育が避けられていることから来る無知、また、マスメディアによって「宗教は恐ろしいもの」という印象を植えつけられていることが挙げられる。
授業では宗教嫌いの歴史的背景として、江戸時代の寺請制度による仏教の腐敗と、軍国主義の手段としての国家神道が紹介されたが、私は後者の方が宗教嫌いに大きな影響を与えたと思う。
第二次世界大戦を経て、宗教や崇拝心は争いを生む危険なものだというイメージが生まれたからだ。
海外での宗教絡みの争いや、カルト教団による犯罪についてのニュースも、そのイメージを増長させている。
宗教には当然いい面も悪い面もあるはずだが、現代日本人の多くは悪い面しか見ていない。
それはそれで「宗教嫌いという宗教」のように見えて、私は時々不安な気持ちになる。
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